北欧4か国の特徴:ちょっとした予備知識を!
まず、国のサイズを想像できるように、各国の人口を以下の表にまとめてみました。そして、日本の人口と比べたら? 日本の国土面積と比べたら? というデータも参考も並べて表記しておきます*。
(*日本の人口は、約1.23億人。国土の面積は、約37.8 万平方キロメートルです。)
デンマーク(首都:コペンハーゲン)
デンマーク企業の98.5%は従業員50人未満の小企業。さらに250人以上の企業は僅か0.3%なのに、経済競争力ランキングで世界1位を獲得しています。中小企業の占める率が日本と似ているにも関わらず、素晴らしい結果を獲得したデンマーク。日本は、1989年から1992年まで世界競争力ランキングの1位をマークしていましたが、現在は34位まで下落しています。日本経済復活のカギは、デンマークを知ることかも・・・
コペンハーゲン中央駅で下車したら・・・
駅の出口から5分程歩くだけで、チボリ公園に行くことができます。この公園は1843年に建てられた世界的に有名な公園で、童話作家のアンデルセンが、作品の構成を練るために通ったということでも知られています。
チボリ公園 正面入り口
ウォルト・ディズニーは何度もここを訪れ、デイズニーランドを作り上げたといわれています。夏の期間は、深夜までライトアップされて営業されているので、コペンハーゲン空港に18:15に着いたならば、すぐにこの公園で楽しむことも可能ですね。
チボリ公園は基本的に春・夏のみの営業になります。ハロウィンやクリスマスといったイベントの時にはオープンしていますが、あらかじめHP ( https://www.tivoli.dk/en/ )でチェックしておいた方がいいです。
チボリ公園のアトラクション
デンマークは、観光としても魅力的な国です。コペンハーゲン駅周辺からは、数時間から宿泊を伴うまでの様々なツアーに参加することができます。予約なしでも乗れるバスツアーもあります。人魚姫の像にもすぐに会えますよ。
人魚姫:デンマークのシンボル的存在
しかし、可能なら宿泊してじっくりと観光したいものです。例えば、少し遠いですが、電車に乗りLEGOLANDまで出かけて行っても楽しめます。
デンマークにあるLEGOLANDは、レゴブロックで作られた遊園地。なんとレゴブロック製のワンちゃんは、オシッコまでできちゃいます。
コペンハーゲン中央駅からさらに35分程電車に乗れば、オーレスンリンクを渡って南スウェーデンのマルメに着きます。
オーレスンリンク:2000年に完成したデンマーク(コペンハーゲン)とスウェーデン(マルメ)を結ぶ橋。ヨーロッパ最長の鉄道・自動車道の横断距離です。オーレスンリンクの一部は、海底トンネルになっています。
ほっとするような懐かしさ。でも、スッキリとした高級感は、デンマーク製の証です👇
スウェーデン(首都:ストックホルム)
日本人は、スウェーデンという国にどんなイメージを持っているでしょうか?世界中が注目するノーベル賞をすべて決めている国? 軍事とは無縁の国*? 実はどちらも、正解ではありません。今後、このブログで「スウェーデンの秘密」として取り上げるつもりです。
*スウェーデンは、ナポレオン戦争から200年以上戦争をしていません。そのため、「軍事とは無縁」というイメージを持っている方が多いのでは? しかし、潜水艦・戦闘機・戦闘車両などすべてを国産で開発し、配備している国家なのです。ロシアによるウクライナ侵攻を受け、2018年に徴兵制を復活させ、さらに2024年2月にNATOに加盟しました。
マルメ:ストックホルム、ヨーテボリに続くスウェーデン第三の都市です。
マルメは,17世紀まではデンマーク領だったので、首都のストックホルムとは異なる文化や街並みに触れる感じがします。
スウェーデンの首都ストックホルム
ジブリ映画「魔女の宅急便」の舞台コリコは、ストックホルムをモデルにしたといわれています。やはり、ストックホルムの町並みは絶景です。
マルメからストックホルムに行くならば、
- 飛行機:マルメからコペンハーゲン空港へ移動し、ストックホルム・アーランダ空港への直行便(飛行時間は1時間程度)。そして、市内中心部に行くためには空港からアーランダエクスプレスに乗り、ストックホルム中央駅へ向かうことになります。
- 高速鉄道:マルメ中央駅からストックホルム中央駅へ(5-6時間)。高速鉄道の車内は、大きな座席でシート間隔も幅広く、なかなか快適です。
ストックホルムからは、フィンランド行きの豪華フェリーが出ています。時間帯もいろいろ選べます。夕方に出港し、美しい夜景を見ながら朝方にフィンランドに着く便が人気です。
フェリーの中には、レストラン・プール・映画館などがあり、各フロアーにはエレベーターで移動できるほどの客船です。日本語のHPで事前予約ができます(https://www.directferries.jp/viking_line.htm)。北欧の人々が愛する海を渡り、それこそバイキングになった気分で旅を楽しめます。
フィンランド(首都:ヘルシンキ)
人口密度は、日本の1/21であり、首都ヘルシンキの目抜き通りを歩いていても、人通りの少なさを感じます。
フィンランドといえば、サウナですね(サウナはフィンランド生まれ)。2020年にサウナ文化は、無形文化遺産としてユネスコに登録されました。フィンランドには約550万人の人口に対して、300万以上のサウナがあると言われています。
そして、フィンランドと言えば、なんといってもムーミンです。
ナーンタリにある、ムーミンワールド(https://www.moominworld.fi/)は、ぜひ訪れたい場所です。
ヘルシンキ中央駅からトゥルク駅まで行き、バスに乗って終点のナーンタリに向かいます。
島に着くと、そこはムーミン一家が住む町です
スナフキンにも普通に会えます。
売店で買ったアイスの形もムーミン
北欧を訪れると、どの国にも共通している「ある事」に気がつきます。それは、ゆったりとした時の流れです。
毎年、発表される「世界幸福度ランキング」。北欧の国々は、上位にランクされています。その中でも、フィンランドは、2023年まで6年連続で第1に選ばれています。
幸せとは何か?
もしかすると、フィンランドのムーミンワールドで見つかるかもしれません。
ノルウエー(首都:オスロ)
ノルウエーは大変な親日国*です。それは、次の写真をみればわかってもらえると思います。これは、2005年5月に天皇陛下(上皇明仁)がノルウェーにいらした時のものです。オスロ中央駅から王室に至るカールヨハン通りは、日本とノルウェーの国旗が約1.4キロにわたって交互に掲げられました。
*私見ですが、北欧4か国は、すべて親日国だと思います。
日本の国旗が並ぶカールヨハン通り(画面中央の奥がノルウエー王宮)
直行便がないため、日本人はノルウエーに興味が持てないのかもしれません。
みなさんは、ノルウエーという国にどんなイメージを持っていますか?
漁業国? それは確かです。
2012年、来日したノルウエーのストルテンベルグ首相が、東京の回転寿司に来店しました。日本への輸出拡大に向けノルウエー産サーモンをアピールする狙いだったのです。当時のノルウエー産サーモンの輸入量は、およそ2万8,000トンでしたが、現在では約5万トンまで増加しています。
しかし、ノルウエーは、「世界的に裕福な国であり、強い政治的な外交力も持っています」と言ったら、「本当?」と驚かれるのではないでしょうか。
下記の「1人当たり 名目GDP*」が示すように、ノルウエーは世界的に裕福な国なのです。
2022年:1人当たり 名目GDPランキング
(1人当たりGDP:GDP÷人口)
*日本では、GDPを国の裕福さを示す指標として用いています。そして、「日本は、中国に抜かれ、2023年はドイツにも抜かれた」とマスコミは伝えています。しかし、GDPを豊かさの指標として用いるのは、大きな欠点があります。なぜなら、GDPは「1人当たり名目GDP」に人口をかけた値なのです。つまり、日本のように人口が1億人を超えるような国ほど、大きな値になるわけです。国民1人当たりの豊かさを正確に示す値は、「1人当たり 名目GDP」です。
日本の一人当たり名目GDPは、2000年時点、世界2位でしたが、2020年には24位までランクが低下しています。そして、2023年には32位になってしまいました。
一方、ノルウエーは30年以上もの間、上位にランクされ続けています。
なぜ、人口550万程度の小国が、経済的にこれほど豊かなのでしょうか?
それは、北欧の秘密として次回からお伝えします。もう少しお待ちください。
オスロ市庁舎は、メインホールにヨーロッパ最大と言われる油絵(上記の画像)、さらに2階にはムンクの絵をみることができます。
オスロ市庁舎では、毎年ノーベル平和賞の授賞式が行われます。「あれ? ノーベル賞は、選考から授賞式まで、すべてスウェーデンで行われるものでは?」という声が聞こえてきそうです。
ノーベル賞に関しても、北欧の秘密としてお伝えします。
オスロは芸術の都です!
オスロ国立美術館には、世界中から素晴らしい絵画が集められています。特にノルウエーを代表する画家、エドヴァルド・ムンク(Edvard Munch)の展示スペースは感動ものです。2022年6月に新たに開館となりました。
また、ヴィーゲラン彫刻公園に行けば、今まで見たこともない世界が待っています。ここは、グスタフ・ヴィーゲランの作品のみが展示されているのですが、その数、なんと600以上!まさに圧巻です。
まだまだ、ノルウエーについてお伝えしたいことがあります。
次回からは、秘密のノルウエーになってしまいそうです。
*ノルウエー(オスロ)への行き方は、北欧へのアプローチ その1. 3. 3) 北欧内でのアクセスの良さが充実 にまとめてあります。参考にしていただけたら幸いです。
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